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住宅サッシの「新寸法体系」


1 導入の背景

住宅用サッシは、昭和30年代にわが国の市場に登場して以降急速に普及し、現在では大部分の住宅に使用されるようになりました。その間ユーザーのニーズを反映して、耐風圧性、気密性、水密性、断熱性、遮音性などの諸性能向上やバリアフリー性など機能性の高度化も図られてきました。一方、製品の寸法に関しては、木製建具時代の慣習を踏襲した「尺貫法」を基調とする体系のまま現在に至っております。

その間に、住宅建築においては乾式化・大壁化とともに、住宅設備機器や規格インテリア建材などに代表されるような部品化・ユニット化が急速に進んでまいりました。これらに関してはメートル法を基調とする寸法体系で供給されており、住宅設計・施工の標準化・合理化におおいに寄与してきたといわれております。

このように住宅設計・施工の合理化・標準化が社会的重要性を増す時代の要請を受けて、平成9年11月に建設・通産両省(名称は当時)のご指導のもとに「建材の品種簡素化に関与する検討委員会」が設置され、住宅用サッシの標準化について、行政、学識経験者、住宅供給者、冊子生産者の各委員会による検討が行なわれました。その結果、平成10年5月に「住宅用サッシの標準化」に関する答申がなされました。その中で、住宅用サッシの寸法設定について、設計・施工のしやすさおよび設備機器、規格インテリア建材、家具などとの取り合いをよくする観点から、次のようなご指摘をいただきました。

  1. サッシの内法寸法を基準とする寸法設定をすることが望ましい。
  2. 高さをメートル法を基調とする寸法体系に改める必要がある。
  3. メーカー各社間でバラバラな寸法設定および呼称寸法表示を一定の根拠のもとに揃えることが望まれる(→同呼称・同寸法)

当協会では、上記答申を尊重しつつ慎重に検討して参りましたが、このたび住宅用サッシ製品の大部分を対象として、「住宅用サッシの新寸法体系」(以下、「新寸法体系」と記します)を導入し、従来の規格寸法体系からの置き換えを図ることといたしました。