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最近、住宅雑誌や住宅の広告、パンフレットなどで目に付くようになった言葉
「次世代省エネルギー基準」って一体何んだろう。住宅性能を勉強する時に欠くことの出来ない知識の一つとなりますから、この言葉を切り口に話しを進めてまいりましょう。
地球温暖化問題への対応は世界的な課題ですが、対策の中心となるのが二酸化炭素の排出の抑制と、その原因となる化石燃料の削減です。1970年代に二度にわたる石油危機を経験した日本は、昭和54年に「エネルギーの使用の合理化に関する法律」通称「省エネ法」を制定して省エネルギーを進めてきました。工場、自動車、家電製品などの対策と併せて、住宅にも省エネルギーのあるべき基準が設けられました。いわゆる「住宅の省エネルギー基準」です。
その基準は、昭和55年に制定され、以来、平成4年に「新省エネルギー基準」として改定され、更に「次世代省エネルギー基準」として平成11年3月に通商産業省と建設省から、新たな目標とする基準が告示されました。
背景には、平成9年に京都で開催された「気候変動枠組条約第三回締約国会議」で採択された日本の温室効果ガスの排出削減目標が遅々として進まない事にあります。
日本は、2008年から2010年までの温室効果ガス排出量を、1990年比でマイナス6%とする事としました。しかし、住宅などで使用される化石燃料の削減は増加しており、一層の省エネが求まられる事となったのです。
地球環境を維持する為ばかりではなく、化石燃料の殆どを輸入に頼る我が国としては、省エネルギーは世界に率先して取り組まなくてはならない課題です。
しかし、暖冷房を使用した快適な生活になれてしまった人間は、寒い冬を我慢する、或いは暑い夏を我慢する生活に戻ることは出来ません。それどころか、快適で健康的な住まい、例えば今までのような暖冷房器具を使用する部屋だけの快適性ではなく、全館全室が一定の快適温度に維持されるといった更なる快適環境を求められています。
全館全室が快適で健康的な住まいを維持するという事と、エネルギーの使用を極限まで削減するという矛盾したテーマを如何に実現するか。次世代省エネルギー基準は、そのテーマを解決する為の最小限の必須条件と言えるでしょう。
次世代省エネ基準適合住宅とメリット
次世代省エネルギー基準に適合するかどうかは、
- 年間の暖冷房負荷が基準を満足しているかどうか
- 年間の熱損失係数(Q値)が基準を満足しているかどうか
- 床・外壁・天井・屋根・窓などの各部位の熱貫流率(K値)が基準を満足しているかどうか
- 床・外壁・天井・屋根・窓などの各部位の建材、断熱材が、熱貫流率基準を満足する素材と厚さ以上であるかどうか
というもので判断されます。
1から4までの何れの基準に適合するものであっても良いとされています。
次世代基準に適合する建物は、住宅金融公庫から特別割増融資として250万円の融資を受けることが出来ますが、それよりも、真に快適な住まいを享受出来、それを維持するに必要なエネルギーのコストを最小限に押さえるという経済効果、そして地球環境の維持に貢献出来るとの意識の満足も大きなメリットと思います。
1 から4までの夫々の基準値は別項をご覧いただくとして、断熱性能を比較する為の知識を、順を追って判りやすく解説しましょう。
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